コラム更新|エキスパートの高度なスキルを効果的に転移する3ステップ
皆さん、こんにちは! リープの荒木です。いよいよ夏本番ですが、夏バテしているわけにはいきませんよね。新人の教育はひと段落しても、中途採用者や部署異動者の育成は、次から次へ。終わりはありません。
リープ・荒木

経験者やベテランを採用しても、自社のエキスパートとして独り立ちできるようにするためには、適切なサポートが必要です。
そこで今回は、高度なスキルを転移したい場面に役立つ「認知的徒弟制」について解説したいと思います。
認知的徒弟制とは
「認知的徒弟制」は、ジョン・S・ブラウンらによって提唱された学習理論の一つで、主に新しいスキルや知識を学び取るための教育的アプローチを指します。これは伝統的な徒弟制の概念に基づいており、ここではエキスパート(専門家)が初心者に直接指導を行い、そのプロセスを通じて専門的なスキルや知識を移転します。
認知的徒弟制では、学習者はエキスパートの行動を観察し、それに基づいて自分自身の知識やスキルを形成します。
このプロセスは一般的に次の3つのフェーズで行われます。
認知的徒弟制を活用することで、弟子(学習者)は経験が必要とされていた実践的で複雑な知識やスキルを効果的に習得することができます。また、師匠(熟達者)側も指導を通じて自身のスキルを棚卸して再確認し、より深化させるリフレクション効果が期待できます。
高度で複雑なスキル育成が求められる企業内教育に関わるビジネスパーソンの皆さんにとって、
認知的徒弟制は実務の文脈で活用できる有効な手法です。
組織全体のケイパビリティを引き上げ、生産性向上につなげることができます。