ブログ更新 | 指示や命令でマインドを変えるのは不可能!? 実現可能なアプローチとは?
「こういうふうにやって」と教えても、なかなかその通りにやってくれない、やり方は教えたのに……。
部下や後輩を指導されたことがあれば、一度はこんな経験があるのではないでしょうか。
部下に対して何らかの行動変容を求める際、言葉だけですぐに部下が動いてくれればそれに越したことはありませんが、実際にはなかなか行動が変わらないことも多いのではないかと思います。
“やるべきことを実際に行動に移すか否か” は、インストラクショナルデザイン(以下、ID)において「態度」と呼ばれる領域に該当します。
IDでは求める学習成果をその質によって分類しますが、その分類の代表的なモデルである『ガニェの学習成果の5分類』では、学習成果を知識、スキル、マインドの3つに大きく分類し、知識についてはさらに3種類に細分化しています。その中のマインドに関する学習成果を「態度」と呼び、“ある物事や状況を選ぼうとする、もしくは避けようとする気持ち(行動を選択するマインドの有無)” を指します。
やるべきだとわかっているはずなのに、いくら言っても行動が変わらない場合、この態度の部分に課題があるといえるでしょう。
一方で、態度はこの5つの分類の中でもっともアプローチが難しく、知識や技能の学習とは異なり指示や命令など説得的コミュニケーションのみで成果の獲得や行動変容につなげることは不可能であると言われています。つまり、態度にまつわる行動を求める場合、「○○をやって」と言うだけでは絶対に行動は変わらないということです。